富士通、川崎重工の航空機製造プロセス効率化に向けたSAPソリューションを設計

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富士通とSAPジャパンは5日、川崎重工航空宇宙システムカンパニーの設計・製造プロセスの効率化を支援するソリューション「SAP S/4HANA® Manufacturing for Production Engineering and Operations」の設計を完了したと発表した。

導入前の課題:膨大な資料の電子化と管理工数の削減

航空宇宙産業は、ひとつの機体を様々な仕様のパーツから製造する多品種少量生産の産業である。そのため、製造の自動化が難しく、作業の大部分を熟練技術者による手作業に依存している状況だ。また、1機あたりの部品数は200万点から300万点と膨大であり、製造工程も複雑で多数の協力会社と連携も必要なため、非常に多くの管理工数がかかるという課題があった。

また川崎重工では、これら製造プロセスにおける作業について人手による紙文書での運用をしている。そのため、詳細なトレーサビリティの確保、および航空機製造認定を行う認証機関への迅速な情報開示を行うためには、膨大な資料の電子化と業務の効率化が必要であった。

そこで同社は、業務効率化を進めるため「SAP S/4HANA Manufacturing for Production Engineering and Operations」の導入を決定。設計・製造プロセスを統合することで、生産性の向上を図る予定だという。

業務プロセスの電子化により、トレーサビリティの向上と業務効率化を推進

「SAP S/4HANA Manufacturing for Production Engineering and Operations」の導入により、設計BOMと製造BOMの一元管理による設計変更への迅速な対応や、トレーサビリティの向上、製造現場のノウハウをシステムに反映することが可能となる。

設計BOMと製造BOMの一元管理を行うことで、設計時の変更情報を製造BOMへとスムーズに反映することが可能だ。これにより、急な設計変更が生じた場合でも製造現場への技術要求を漏れなく行うことができ、製造開始の遅延や手戻りの防止が期待される。

また、同システムの活用により、製造プロセスにおける各工程内の作業についてシステム上で細かく管理することが可能となる。これにより詳細な粒度で実績情報の集積を行えるようになるため、トレーサビリティの向上が実現される。また、膨大な部品に関する製造情報を電子化することで、情報開示要求に対しても迅速に対応でき、信頼性の向上につながる。

また、製造現場の作業担当者が使用するタブレット端末に向けて、富士通は独自のUXデザインアプローチを活用したアドオン機能を開発。ユーザビリティを向上させるとともに、確実な製造記録・品質記録のスムーズな実行が可能となった。さらに作業計画者に向けて、複数パターンの作業計画を立案する機能など、これまで培ってきた生産ノウハウを活用したアドオン機能も開発していく予定だという。

今後、富士通は川崎重工のさらなる生産性向上を支援するため、データ活用基盤と「SAP S/4HANA® Manufacturing for Production Engineering and Operations」の連携を実現していく予定だという。

Posted by takebayashi