SIerに将来性はあるか?業界の現状と課題・ある派・ない派のキャリア戦略

2019年10月1日

SIerに将来性はあるか?業界の現状と課題・ある派ない派のキャリア戦略を徹底解説

SIerに将来性はあるのか、SIerに転職を考えている方もすでにSIerとして働いている方も、一番気になる部分が業界の現状部分でしょう。ここでは、SIer業界の現状について解説します。

SIer業界の構造

SIer業界は、多重下請け構造が一般的であり、1次請けの下に2次請け、その下に3次請けと「下請け」「孫請け」の構造で作業が進行しています。

構造自体は、SIer業界に限らず大企業が元請けとなり、中小企業が下請けや孫請けとなります。多くの業界で採用されていますが、SIer業界はそれほど単純ではありません。

3次請けとなる孫請け程度に収まらず、4次請け、5次請けと、案件を丸投げするゼネコン体質がSIer業界には根づいています。

多重下請け構造になっているため、丸投げされる側のSIerは給料も安く働かなければならないようになっています。

SIer業界の課題

SIer業界の課題は、とにもかくにも多重下請け構造をなくすことです。SIerは和製英語であり、外国ではここまで多重下請け構造を抱えていません。自社で請けた仕事は、基本的に自社内や自社の子会社内で処理します。

日本の場合、人材不足で仕事を丸投げし、中には利益のピンハネまでする企業もあり、中小企業に勤めるほど給料が安く、大企業に勤めるほど給料が高く設定される傾向にあります。


たとえば、SIerの平均年収は650万円程度と言われていますが、それは大手企業の社員が年収800万円ほどの高い給料を受け取っているからであり、3次請けや4次請けなどの中小企業では、年収400万円を下回るのも珍しくありません。

現状の多重下請け構造は、このような大幅な給料格差を生み出すため、SIer業界を衰退させないために、多重下請け構造をなくすという課題をクリアする必要があります。

SIerの将来性

SIerには「将来性がある」という意見と「将来性がない」という意見で、真っ二つに分かれています。


ここでは、SIerに将来性がある派と将来性がない派の意見を、それぞれまとめながら解説します。

SIerに「将来性ある派」の意見

SIerに将来性があるという意見では、次のようなことが取り上げられています。
『技術革新で需要が伸びる見込みが十分にある』
昨今だとAI技術に始まり、スマートフォンの5G技術基盤や、固定回線の10Gbpsインターネット規格の安定したシステム運用基盤など、さまざまな面でSIerは活躍します。もっと身近なところだと、はやりのチャットボットシステムもそのひとつでしょう。
このような技術の革新で、SIerの需要が伸びる見込みは十分にあるという意見です。
さらに、たとえAIやスーパーコンピューターがいくら進歩しようと、それは人間あっての進歩ですので、SIerの仕事が完全になくなってしまう可能性は低いとも言えます。
また、SIerとして経験を積めば、SAPコンサルタントとしてフリーランスで活躍することも見込めるため、SIerに将来性がないというのは間違っているというのが、将来性はある派の意見です。

昨今だとAI技術に始まり、スマートフォンの5G技術基盤や、固定回線の10Gbpsインターネット規格の安定したシステム運用基盤など、さまざまな面でSIerは活躍します。もっと身近なところだと、はやりのチャットボットシステムもそのひとつでしょう。
このような技術の革新で、SIerの需要が伸びる見込みは十分にあるという意見です。
さらに、たとえAIやスーパーコンピューターがいくら進歩しようと、それは人間あっての進歩ですので、SIerの仕事が完全になくなってしまう可能性は低いとも言えます。
また、SIerとして経験を積めば、SAPコンサルタントとしてフリーランスで活躍することも見込めるため、SIerに将来性がないというのは間違っているというのが、将来性はある派の意見です。

SIerに「将来性ない派」の意見

逆にSIerに将来性がない派の代表的な意見は『人月商売というビジネスモデルが継続困難である』ことです。

人月商売で取引することも多かったSIer業界ですが、このビジネスモデルが崩壊する懸念を抱いているのが、将来性はない派の意見です。人月商売では、契約した人員が契約した時間働く必要が出てきます。

すると、早く仕事が終わっても無駄に残業させられたり、頭数をそろえるためにろくに仕事もできない人員が配置されたりするケースもあります。これは生産性に欠くため、働き方改革を進めている昨今では、人月商売の先行きに不安を覚えても当然でしょう。

また、SaaSやAIシステムを搭載したクラウドサービスも安価で始めやすくなり、受注すらなくなる懸念もあります。

ほかにも、少子高齢化により若者の労働人口が減り続けている中、多重下請け構造を残しているため、ますます人材を育てることが困難になっていくというのが、将来性はない派の意見です。

SIerのキャリア戦略

将来性はない派の意見もありましたが、SIerとしてキャリアアップするためにはどのような戦略を練ればいいのでしょう。ここでは、SIerのキャリア戦略を解説します。

より上流のSIerへ転職

下流である下請けや孫請けのSIerでは給料が安く、なかなか人材の育成にまで手を回す余力がないため、より上流である大企業側に向けて転職するといいでしょう。


たとえば大企業のSIerであれば、受注元と直接話す機会もあり、企画や先方への戦略立案から携われるため、SIerとしてのスキルアップも同時に臨めます。

さらに、給料や福利厚生面でも、上流SIerへ転職した方が好待遇であるため、現状に不満を持っているのであれば、最初に検討したいキャリアアップと言えます。

web系企業への転職

SIerに将来性を感じられない場合は、Web系企業への転職を検討するのもいいでしょう。SIerとして働いてきた経歴があれば、今あるスキルで転職できるWeb系企業は山ほどあるはずです。どの業界も労働人口が減り、人手不足気味なのは変わりないので、自身の強みを生かせる職場を探すのがベターと言えます。

転職先は、再び多重下請け構造であるのを避けるためにも、自社サービスを展開している企業を選ぶといいでしょう。スキルも身につけやすい環境が整っており、SIerに不安を覚えている方には最適なキャリアアップです。

社内SEへの転職

SIerが社内SEに転職するケースも珍しくありません。社内SEは、大企業の情報システム部門を担当することとなり、SIerのころよりも業務の幅が広がります。
また、上流の企業であるため、企画や要件定義をし、自分たちで開発したシステムが実際に稼働している場面を見ることもできるでしょう。


情報システム部門は、憧れの的となる部署でもあるため、業務の幅は広く大変ですが、社内SEに転職するのもひとつの手と言えます。

営業やコンサルタントへの転職

下流となる中小企業のSIerの場合、スキルが身につかず開発力が心もとないことがあります。それでもコミュニケーションを得意としているのであれば、営業やコンサルタントへ転職するのもいいでしょう。


ITコンサルタントの場合、専門的な知識が要求されがちではありますが、営業ならば上流の企業が行っている、SIerとしての受注作業と変わりありません。簡単に言ってしまえば、中間マージンがない分、大企業より安くシステムを作れることを武器に、新規の顧客や継続案件を受注しやすくなります。

戦略的にキャリアを描くことが重要

SIerに将来性はない派の意見もありますが、戦略的にキャリアアップする道を考えておけば、本当に将来性がないと感じたときに転職しやすくなります。時間外労働があり大変な場合もありますが、会社で働いているだけでは満足いくスキルが身につかないのであれば、参考書やインターネットの問題集で勉強することも重要です。


SIerとして多くの経験を積めば、自然にいろいろなシステムを開発することになりますが、下流の企業では給料が安く、不満ばかり抱えてしまうこともあるでしょう。キャリアアップする道さえ整えておけば転職もしやすい業界ですので、自己分析と情報収集を怠らず、自分に合った企業をピックアップして転職にのぞみましょう。

Posted by HondaToru