ERPエンジニア・コンサルタントに転職するなら確認すべき6項目

2019年10月4日

1.ERPエンジニア・コンサルタントのニーズは今後どうなる?

結論から言ってしまうと、ERPエンジニアやコンサルタントのニーズは、今後もすぐに枯渇することはありません。むしろ、広がりがあると言えるほどです。

なぜERPエンジニアやコンサルタントのニーズが枯渇することなく、広がりがあるとさえ言えるのかというのは、「ERPがほぼすべての企業に導入済み、もしくは導入する必要がある」からです。ERPが導入済みとなってしまうと仕事がなくなるのではないかと思われがちですが、それは違います。たとえば、2025年問題のように、SAP社のERP製品のサポート期間が切れてしまうため、新製品に乗り換えざるを得ない状況も生まれてきます。また、乗り換えが必須でなくとも、より高性能なERP製品への乗り換えや、業務内容の変化で発生するERPパッケージ機能の追加や削除のニーズは、ますます高まると考えられるでしょう。

それほどERPは、多種多様な業種で使われている、ということです。ERPエンジニアやコンサルタントのニーズがなくなるときは、ERPに代わる新技術が登場し、ほぼすべての企業が乗り換えてしまったときでしょう。たとえ大きなシェアをほこるERPに取って代わる技術が誕生しても、すぐに企業が飛びついて乗り換えてしまうことは考えづらく、ERPに携わっていればしばらくは安泰、むしろ新規にERPを導入する企業の手助けができる分、ニーズは増えていくと考えられます。

2.転職する時は会社や製品に依存しないスキルが得られるかどうかを軸にする

転職するときには、会社や製品に依存しないスキルを得られるか、という点を軸にして考えるべきです。

たとえば、先の例でも挙げましたが、SAP ERPという製品だけに依存していると、SAP ERPが使えなくなったときに困ってしまいます。もっと身近な例を挙げるならば、Windows 7のサポートが切れWindows 10にシフトせねばならないのに、Windows 7でしか仕事ができない、では困りものです。

ERPエンジニアやコンサルタントは、幅広い業務を行う必要があるため、新規プロジェクトも顧客任せや先輩任せばかりにしていては何も身につかず、リストラ候補にも挙がりやすくなるでしょう。転職するのであれば、会社や製品に依存せず、自分はどのようなスキルが得られ継続雇用やキャリアアップにつながるのか、あらかじめ想定しながら転職先候補を絞り込んでいく必要があります。

3.ERPエンジニア・コンサルタントが身に付けられる4つの汎用スキル

ERPは企業資源である「ヒト・モノ・カネ」を扱うものですが、ERPエンジニアやコンサルタントは、次の4つのスキルを身につけられます。

  • 特定分野の業務知識や業務フロー
  • 扱うソフトウェアの知識
  • パッケージソフト導入プロジェクトの進行管理スキル
  • サーバーやミドルウェアの操作スキル

ERPという特定分野の知識や業務フローを身につけやすいのは、ERPを扱うERPエンジニアやコンサルタントの特権です。SEでもERPに携わる機会が訪れる場合もありますが、業務に携われる回数としては比較にならず、扱うソフトウェアの知識としてERPの知識までも大きな差が出てくるでしょう。

当然ERPエンジニアやコンサルタントとして働く以上、ERPパッケージソフトの導入プロジェクトに携わり、進行管理もせねばなりません。すると、おのずとパッケージソフトの導入プロジェクトの進行管理スキルも身についてくるわけです。

そして特筆すべきは、サーバーやミドルウェアの操作スキル。特にサーバーはERPパッケージを運用するにあたり必須であり、オンプレミス型でもクラウド型でも対応できる、サーバーの取り扱いやセキュリティ対策などに詳しくなれるでしょう。もちろん、専属でサーバーを管理や設計をするサーバーエンジニアには劣りますが、「サーバーの使い方」は十分に詳しくなれます。

4.ERPエンジニア・コンサルタントの具体的なキャリアアップ事例

ERPエンジニアやコンサルタントがキャリアアップできる具体的な事例としては、次のようなものが挙げられます。

  • 業務コンサルタントへキャリアチェンジ
  • インフラソリューションへキャリアチェンジ
  • プロジェクトマネージャへキャリアアップ
  • ITアーキテクトへキャリアシフト

業務コンサルタントというのは、各種コンサルタント業のことです。IT系に限らず、物流や小売りなどであっても、業務をコンサルタントしてくれる方は重宝されます。異業種に行っても、ITを導入することで業務効率化が図れることをアピールしやすい現場は残っているため、業務コンサルタントへのキャリアチェンジもひとつの手でしょう。

インフラソリューションへのキャリアチェンジもひとつの手で、ERPエンジニアやコンサルタントとして活躍していれば携わっている「サーバーの取り扱い」に詳しい人材を求めているため、キャリアチェンジしやすい業種です。大手だとAWSを展開するAmazonの求人もあり、クラウド化が進む昨今、より安定して稼働できるサーバーやインフラ整備ができることが求められます。

プロジェクトマネージャへのキャリアアップは、プロジェクトマネージャ(PM)としてプロジェクトの進行管理を行うものです。ERPエンジニアやコンサルタントでも進行管理スキルは身についていますので、PMへのキャリアアップをしやすい絶好のポジションとも言えるでしょう。

そしてITアーキテクトへのキャリアシフトですが、これはITのアーキテクトを考えて全体に指示を出す立場へ転身するものです。簡単に言えば、エンジニアの司令塔にあたる人物に該当します。IT業界の中でも高度なスキルを求められており、実装はもちろん、計画や進行にも指示を出し問題が発覚すれば先陣を切って対処にあたるべき人物でもあります。大変ではありますが、やりがいのあるキャリアシフト事例と言えるでしょう。

5.ERPエンジニア・コンサルタントが次になるべきおすすめキャリア5つ

ERPエンジニアやコンサルタントにおすすめできるキャリアは、次の5つです。

  • インフラソリューション業界
  • コンサルティングファーム
  • Web系企業
  • 社内SE
  • PMO

先にも述べたとおり、インフラソリューション業界はAWSを始めとして、AzureやAkamaiなど運営する大手企業が多数あるため、サーバーの取り扱いに慣れているERPエンジニアやコンサルタントにおすすめのキャリアです。業務の性質上、サーバー管理の経験者が多数募集されますが、ERPエンジニアやコンサルタントは企業にもよりますが、サーバー管理業務として認められるケースも多いでしょう。

またコンサルティングファームは、企画や計画また戦略が主となる業界であるため、コンサルタント業を担当していれば、おのずと経験を積んでおきやすいキャリアでもあります。

Web系企業や社内SEでは、いままで使ってこなかった技術も習得する機会が増えるため、キャリアアップとしても有効です。Web系企業ではIT系の業務が多彩ですが、社内SEでは本業がITとは無縁のケースもあるため、狭き門にはなってしまいます。

PMOはProject Management Officeのことで、プロジェクトの進行管理スキルを発揮する業務や部署を指します。ERPにとらわれない、多彩なプロジェクトにかかわりたいのであれば、需要の高いキャリアです。

6.Web系・オープン系エンジニアのERPエンジニア・コンサルタントへの転職はおすすめ

Web系やオープン系エンジニアがERPエンジニアやコンサルタントに転職するのは、意外におすすめできるキャリアアップ先でもあります。

その理由として、Webやオープン系に強いことは、ERPエンジニアやコンサルタントとして働く上で強みとなるため、採用率が上がるばかりでなく、年収アップを見込むこともできるからです。ただしコンサルタント狙いならば、プログラミング面やプロジェクトの進行管理ができるだけではいけません。コンサルタント業として、戦略提案も必要不可欠になってくるため、場数を踏んだベテランが転職すると成功しやすいと言えます。

ベテランのほうが場数を踏んでいるだけ転職を成功させやすいのですが、若手だからと落ち込む必要はありません。むしろ若手で経験が浅いからこそ、固定概念を覆すものの見方をすることもでき、より顧客に満足してもらえるシステムを構築することも可能になります。頭が固く、未経験分野の技術から独自のアイディアをひねり出すことができないと、転職はやや難しいです。

ただし、ITのエンジニアとしてWeb系でもオープン系でも携わっているため、抵抗感が少なく、いままでの経験も生かしてキャリアアップできるのがERPエンジニアやコンサルタントと言えます。

まとめ.ERPエンジニア・コンサルタントへの転職はキャリアパスを考慮すべき

ERPエンジニアやコンサルタントへの転職を目指すならば、キャリアパスを考慮すべきです。

ここで言うキャリアパスとは、業務経験や配置転換などを考慮し、どれほどの期間どのような職に就いていれば、ERPエンジニアやコンサルタントへ転職しやすくなるのか、道筋を考えておくことです。無計画に転職を試みても失敗します。ですが、キャリアパスを考慮し計画的に転職を試みれば、成功率は飛躍的に上昇するでしょう。

たとえば、Web系エンジニア経験半年の人材とWeb系エンジニア経験5年の人材、どちらか一方を採用することになったら、企業はどちらを採用したがるでしょう。当然、実務経験の長いほうを優先する確率が高まります。キャリアパスを考慮せず、すぐ転職しようとしても、失敗しやすい例です。キャリアパスを考慮するのであれば、実務経験半年の方はWeb系エンジニアとして、もう少し経験を積んでから転職に臨んだほうが、転職を有利に進められるでしょう。

また、ERPエンジニアやコンサルタントのニーズが高まるのは、SAP社のERPが抱える2025年問題が片づく前が、昨今の話題では最高潮に達します。すべての企業が2025年問題を片づけ終えてしまったら、ニーズは落ち着いてしまい、求人案件も減少すると予想されます。

ですが、ERPがなくなるのでなく、数年後に控えた大きな問題が一段落するだけですので、仕事がなくなることはありません。そのため、今すぐ転職できずとも、地道にキャリアパスの道を考慮し、「転職後に何ができるのか、身につくのか」まで考えて行動すると、より良い転職をすることができるでしょう。

Posted by nakao